2025/09/16
オフィスの内装工事は、単に古くなった空間を新しくするだけではありません。働き方が多様化する現代において、従業員の満足度や生産性の向上、さらには企業ブランドの発信拠点として、オフィスの役割はますます重要になっています。しかし、内装工事には専門的な知識が必要なため、「何から始めればいいのか」「どんな種類があるのか」「費用はどれくらいかかるのか」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オフィス内装工事の基本的な知識から、具体的な工事の種類、計画から完成までの流れ、そして失敗しないための重要なポイントまで、詳しく解説していきます。
オフィス内装工事とは?

オフィス内装工事とは、建物の内部空間を事業目的や働き方に合わせて改修・整備する工事全般を指します。壁紙の張り替えや間取りの変更といった小規模なものから、オフィス全体のデザインを一新する大規模なリノベーションまで、その範囲は多岐にわたります。
単なる修繕ではなく、企業のビジョンを体現し、働きやすい環境を構築するための重要な経営戦略の一つです。
内装工事がもたらす価値
オフィス内装工事は、企業に様々な価値をもたらします。
生産性の向上
集中できる執務スペース、気軽に議論できるコラボレーションエリア、リフレッシュできる休憩スペースなど、メリハリのある空間設計は、従業員の集中力やモチベーションを高め、生産性の向上に直結します。
コミュニケーションの活性化
部門間の壁を取り払うオープンなレイアウトや、偶発的な出会いを生む動線設計は、従業員同士のコミュニケーションを促進し、新たなアイデアの創出を助けます。
ブランディングと採用力強化
企業の理念やカルチャーを反映したオフィスデザインは、来訪者に良い印象を与え、企業のブランドイメージを向上させます。また、魅力的で働きやすいオフィスは、優秀な人材を惹きつけ、採用競争力を高める効果も期待できます。
従業員満足度(ES)の向上
快適で機能的なオフィス環境は、従業員の心身の健康を支え、仕事への満足度を高めます。エンゲージメントの向上は、離職率の低下にも繋がります。
オフィス内装工事の種類
オフィス内装工事は、大きく「建築工事」と「設備工事」の2つに大別されます。これらは互いに密接に関連しており、オフィスのデザイン性と機能性を両立させるためには、両方の工事を総合的に計画することが重要です。
空間の印象を決める「建築工事」
建築工事は、主にオフィスの見た目や骨格を形成する工事です。空間のデザインや使い勝手に直接関わるため、企業のコンセプトを反映しやすい部分と言えます。
軽鉄工事(LGS工事)
軽量鉄骨で壁や天井の下地を作る工事。間取り変更の基本となります。
ボード工事
軽鉄工事で作った下地に石膏ボードを張り付ける工事です。壁や天井の表面を形成します。
内装仕上げ工事
壁紙(クロス)の張り替え、床のタイルカーペットやフローリングの設置、塗装など、空間の最終的な印象を決める工事です。
造作家具工事
受付カウンターや会議室の収納棚など、既製品ではなく、オフィスのデザインや寸法に合わせて特注で家具を製作・設置する工事です。
機能性を支える「設備工事」
設備工事は、オフィスの機能性や快適性を維持するために不可欠なインフラ部分の工事です。目に見えない部分も多いですが、従業員が安全かつ快適に働くための生命線とも言えます。
電気設備工事
コンセントの増設や移設、照明器具の設置・交換、LAN配線など、電気系統全般の工事です。
空調設備工事
エアコンの設置や移設、換気設備の整備など、快適な室温や空気環境を保つための工事です。
防災設備工事
自動火災報知機やスプリンクラー、誘導灯など、消防法で定められた防災設備を設置・改修する工事です。人命に関わる重要な工事です。
給排水設備工事
給湯室やトイレなどの水回りの新設・改修に伴う工事です。
失敗しないためのオフィス内装工事の進め方

オフィス内装工事は、関わる業者も多く、期間も長いため、計画的に進めることが成功の鍵です。ここでは、一般的な工事の流れを6つのステップに分けて、それぞれの段階で何をすべきかを具体的に解説します。
計画フェーズ:目的の明確化とコンセプト策定
工事を始める前に、まずは「なぜ内装工事を行うのか」という目的を明確にすることが最も重要です。「コミュニケーションを活性化したい」「Web会議に集中できる環境が欲しい」など、現状の課題や理想の姿を洗い出します。その上で、「先進性をアピールするデザイン」「自然を感じられるリラックス空間」といったオフィスのコンセプトを策定します。この段階で、おおよその予算やスケジュールも検討しておきましょう。
業者選定・設計フェーズ
コンセプトが固まったら、内装工事を依頼する業者を選定します。設計事務所、建設会社など、業者の種類は様々です。実績や提案内容、担当者との相性などを比較検討し、信頼できるパートナーを選びましょう。選定した業者と共に、コンセプトに基づいた具体的なデザインやレイアウト、使用する素材などを詳細に決めていきます。
見積取得・契約フェーズ
デザイン設計が完了したら、施工業者に詳細な見積もりを依頼します。この際、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行うと、費用の妥当性を判断しやすくなります。見積書の内容は項目ごとに細かくチェックし、不明な点は必ず確認しましょう。金額、工事内容、工期などに納得できたら、正式に工事請負契約を締結します。
竣工検査・引き渡し
工事が完了したら、すぐに引き渡しとはなりません。発注者(施主)、設計者、施工業者が立ち会いのもと、設計図通りに仕上がっているか、傷や汚れ、不具合がないかを厳しくチェックする「竣工検査」を行います。もし修正が必要な箇所が見つかれば、手直し工事(是正工事)を依頼します。すべての確認が完了し、問題がなければ、正式に物件の引き渡しとなります。
アフターフォローと運用
引き渡し後、実際にオフィスを利用する中で、不具合や問題点が出てくることもあります。多くの工事業者では、一定期間の保証やアフターフォローを提供しています。保証内容や期間、連絡先などを事前に確認しておきましょう。また、新しいオフィスを最大限に活用するための運用ルール作りも重要です。
オフィス内装工事を成功に導く6つの重要ポイントと注意点
計画通りにオフィス内装工事を進め、理想のオフィスを実現するためには、いくつかの重要なポイントと注意点があります。これらを事前に把握しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、プロジェクトを成功に導くことができます。
コンセプトと目的を社内で共有・徹底する
プロジェクト担当者だけでなく、経営層から従業員まで、「何のためにオフィスを変えるのか」という目的とコンセプトを社内全体で共有することが不可欠です。目的がブレてしまうと、デザインの方向性が定まらず、最終的に誰にとっても使いにくいオフィスになってしまう可能性があります。
信頼できる専門業者を選ぶための基準
業者選びは、工事の成否を分ける最も重要な要素の一つです。以下の基準を参考に、慎重に選びましょう。
実績
オフィス内装工事の実績が豊富か。特に自社と似た業種や規模の企業の施工事例があるかを確認しましょう。
提案力
こちらの要望を汲み取り、課題解決に繋がるプラスアルファの提案をしてくれるか。
コミュニケーション
担当者のレスポンスが早く、円滑にコミュニケーションが取れるか。
見積もりの透明性
見積書の内容が詳細で分かりやすいか。「一式」などの曖昧な表現が多くないかを確認します。
消防法・建築基準法などの関連法規を遵守する
オフィスの内装工事は、消防法や建築基準法といった法律で定められた基準を満たす必要があります。例えば、避難経路の確保、スプリンクラーや火災報知器の設置義務、内装材の防火性能など、遵守すべき項目は多岐にわたります。これらの法規を無視して工事を行うと、是正命令を受けたり、最悪の場合、ビルの使用ができなくなる可能性もあります。専門知識を持つ業者に必ず確認を依頼しましょう。
ビル管理規約と賃貸借契約書を事前に必ず確認する
賃貸オフィスの場合、ビル独自のルールである「ビル管理規約」や、入居時に交わした「賃貸借契約書」を必ず確認する必要があります。工事可能な曜日や時間帯、使用できる資材、原状回復の範囲などが定められているためです。これらを無視して工事を進めると、ビル側とのトラブルに発展する可能性があります。工事計画の早い段階でビル管理会社に工事の届け出を行い、内容を確認してもらいましょう。
実際に働く従業員の意見をヒアリングする
デザイン性ばかりを重視し、実際に働く従業員の使い勝手を無視したオフィスは、生産性を低下させる原因になりかねません。「収納が足りない」「コンセントの位置が悪い」「動線が悪く歩きづらい」といった不満を防ぐためにも、アンケートやヒアリングを実施し、従業員の意見を設計に反映させることが重要です。
余裕を持ったスケジュールを確保する
オフィス内装工事では、資材の納期遅れや予期せぬ問題の発生など、スケジュールが遅延するリスクが常に伴います。移転日が決まっている場合など、タイトなスケジュールで進めると、十分な検討ができなくなったり、工事の品質が低下したりする恐れがあります。計画段階でバッファを設けるなど、余裕を持ったスケジュールを組むことが賢明です。
オフィスの内装工事は山市成工にご相談ください
株式会社山市成工は、山梨県甲府市に本社を置き、1948年の創業から70年以上にわたって地域の建築業界を支えてきた総合建設会社です。
オフィスや工場、倉庫の改修・修繕工事を数多く手掛けており 、組織改編に伴う間仕切り変更工事 、セミナー室のリニューアル 、事務所のOAフロア化 、トイレ改修 といった、オフィス環境の改善に関する幅広い施工実績があります。シャッターの取り付け や扉の故障、床の沈みなど、日々の業務に関わる細かな修繕にも対応可能です。
山市成工では、お客様の視点に立ち、どのような施工方法が最適かを考えて提案すること を大切にしています。企業の生産性に関わる改修工事では、短工期・低コスト・高パフォーマンスを追求。そこで働く方々の安全を確保し、作業効率の向上に繋がる工事を心掛けています。
公共事業で培った高い施工技術と品質管理を民間建築にも活かし 、各種施設の耐震補強工事でも豊富な実績があります。オフィスのレイアウト変更やリニューアル、日々の小さな修繕まで、ぜひ一度、山市成工にご相談ください。