マンションの資産価値を守るメンテナンスの必要性と目安となる時期について

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マンションは購入したら終わりではなく、適切な維持管理、すなわちメンテナンスが不可欠です。大切な資産であるマンションの価値を維持し、快適で安全な住環境を長く保つためには、計画的なメンテナンスが欠かせません。しかし、「具体的に何をいつすれば良いのか?」「費用はどれくらいかかるのか?」といった疑問を持つオーナー様も多いのではないでしょうか。

この記事では、マンションメンテナンスの重要性から、具体的な種類、実施時期の目安まで、知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。

 

なぜマンションのメンテナンスは必要なのか?

なぜマンションのメンテナンスは必要なのか?  

マンションのメンテナンスは、単に建物をきれいに保つだけでなく、資産価値の維持、そして何よりも住民の安全で快適な生活を守るために不可欠な投資です。適切なメンテナンスを怠ると、将来的に様々な問題を引き起こす可能性があります。

 

マンションの寿命と資産価値の維持

鉄筋コンクリート造のマンションは物理的には100年以上持つとも言われますが、それは適切なメンテナンスが行われてこその話です。外壁のひび割れ、屋上防水の劣化、給排水管の老朽化などを放置すれば、建物の劣化は急速に進み、寿命を縮めることになります。定期的な点検と修繕は、建物の劣化を防ぎ、その寿命を延ばします。

さらに、適切に管理されているマンションは、中古市場においても評価が高く、資産価値の維持・向上につながります。将来的な売却や賃貸を考えた場合、メンテナンス履歴は重要なアピールポイントとなります。

 

安全で快適な住環境の確保

メンテナンスは、そこに住む人々の安全と快適性を守るためにも極めて重要です。例えば、外壁タイルの剥落は人身事故につながる危険性がありますし、給排水管の漏水は階下への浸水被害を引き起こす可能性があります。エレベーターや消防設備の不具合は、万が一の際に住民の安全を脅かします。

定期的な点検・修繕によってこれらのリスクを未然に防ぎ、住民が安心して快適に暮らせる環境を維持することができます。

 

放置するリスク

「まだ大丈夫だろう」とメンテナンスを先延ばしにすることは、多くのリスクを伴います。小さな不具合が放置されることで、より大規模な修繕が必要となり、結果的に費用が嵩むケースは少なくありません。また、設備の故障や事故が発生した場合、その対応に追われるだけでなく、マンション全体の評価や信頼を損なうことにもなりかねません。さらに、法定点検を怠った場合は、法的な罰則を受ける可能性もあります。

計画的なメンテナンスは、こうしたリスクを回避するための最善策と言えるでしょう。

   

マンションメンテナンスの種類:どこを誰が?

マンションのメンテナンスは、その場所によって管理主体が異なります。共用部分と専有部分、それぞれの管理責任を理解し、計画的にメンテナンスを進めることが重要です。また、定期的に行われる大規模修繕工事や、法律で定められた点検についても知っておきましょう。

 

管理組合が主体となる共用部分

エントランス、廊下、階段、エレベーター、屋上、外壁、バルコニー(※専用使用権はあるが共用部分扱い)、駐車場、駐輪場、敷地内の植栽など、住民が共同で使用する部分(共用部分)の維持管理は、区分所有者全員で構成される「管理組合」が主体となって行います。日常的な清掃や点検、長期的な修繕計画の策定・実施、そしてそのための修繕積立金の徴収・管理などが主な役割です。

これらのメンテナンス費用は、基本的に住民から集めた管理費や修繕積立金で賄われます。

 

オーナー自身が管理する専有部分

住戸の内部、つまり壁紙、床材、キッチン、浴室、トイレといった内装や設備など、区分所有者が単独で所有している部分(専有部分)の維持管理は、その住戸のオーナー自身の責任と費用負担で行います。給湯器の交換、エアコンの修理、水栓金具の取り替え、壁紙の張り替えなどがこれに該当します。ただし、専有部分内の設備であっても、他の住戸と繋がっている配管(給排水管の縦管など)は共用部分とされる場合があるため、管理規約を確認することが重要です。

また、専有部分の不具合が共用部分や他の住戸へ影響を与える(例:水漏れ)可能性もあるため、オーナー自身の適切な管理が求められます。

 

大規模修繕工事

マンションの維持管理の中でも特に重要かつ大規模なものが「大規模修繕工事」です。これは、建物の劣化を回復させ、性能を維持・向上させるために、足場を組んで行う計画的な修繕工事のことを指します。主に、外壁塗装、屋上防水、鉄部塗装、バルコニー・廊下の床面補修など、共用部分の主要な箇所が対象となります。

一般的に10年以上の周期で計画され、多額の費用がかかるため、管理組合による長期的な修繕計画と修繕積立金の適切な運用が不可欠です。

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法律で義務付けられた法定点検

マンションの安全性を確保するため、法律によって定期的な点検が義務付けられている設備があります。主なものとしては、消防法に基づく「消防用設備点検」、建築基準法に基づく「特定建築物定期調査」「建築設備定期検査(エレベーター等)」、水道法に基づく「簡易専用水道(貯水槽)の検査」などがあります。

これらの点検は、有資格者が行う必要があり、点検結果は特定行政庁への報告が義務付けられています。管理組合は、これらの法定点検を確実に実施する責任があります。

   

マンションメンテナンスの時期と周期の目安

いつ、何をすべき?メンテナンスの時期と周期の目安  

マンションのメンテナンスは、やみくもに行うのではなく、建物の状態や設備の耐用年数を考慮し、計画的に進めることが重要です。ここでは、一般的なメンテナンスの時期や周期の目安について解説します。

 

大規模修繕工事

築5年~10年頃

・比較的新しい時期ですが、初期の不具合がないか確認する意味でも点検が重要です。
・鉄部の塗装(錆びの発生状況による)、シーリング材の点検・部分補修、共用灯の交換などが考えられます。
・専有部分では、給湯器や水回り設備の点検を推奨します。

築10年~15年頃

・第1回大規模修繕工事の時期です。外壁塗装、屋上防水、鉄部塗装、バルコニー・廊下の補修などが主な工事内容となります。
・給排水ポンプなどの設備も点検し、必要に応じて交換を検討します。

築15年~25年頃

・設備の劣化が進行しやすい時期です。給排水管、ガス管、電気設備などの更新を検討する必要が出てくる場合があります。
・専有部分でも、給湯器、エアコン、水回り設備などの交換時期を迎えることが多いです。
・エレベーターの部分的なリニューアルや更新も視野に入ってきます。

築25年~30年頃

・第2回大規模修繕工事の時期です。1回目と同様の工事に加え、より広範囲な補修や、時代に合わせた改良工事(バリアフリー化など)も検討されることがあります。
・給排水管や電気幹線など、基幹設備の更新が本格的に必要となる可能性が高まります。

 

主要設備の耐用年数と交換時期

マンションには様々な設備があり、それぞれに一般的な耐用年数(寿命)があります。計画的な交換・更新を行うために、目安を知っておきましょう。

・外壁塗装(吹付タイル等): 約12~15年
・屋上防水(アスファルト防水、シート防水等): 約12~15年(工法により異なる)
・シーリング材: 約7~12年(打替え)
・鉄部塗装(階段手すり、PS扉等): 約4~6年
・給水ポンプ・排水ポンプ: 約10~15年
・給湯器(専有部分): 約10~15年
・エレベーター: 約20~25年(制御盤などの部分更新はより短い周期で必要になることも)
・給排水管: 材質によるが、30~40年以上(ただし、劣化状況に応じた更新が必要)
・機械式駐車場: 約15~25年(部品交換はより短い周期で必要)

※これらはあくまで目安であり、立地環境、使用状況、メンテナンス状況によって変動します。

 

大規模修繕工事の周期

前述の通り、大規模修繕工事は一般的に12年~15年周期で実施されることが多いです。これは、外壁塗装や屋上防水などの主要な修繕項目の耐用年数に合わせて設定されています。国土交通省のガイドラインでも12年程度の周期が推奨されています。適切な周期で実施することで、建物の劣化を最小限に抑え、修繕費用を平準化することができます。

 

専有部分の点検・メンテナンス推奨時期

専有部分のメンテナンスはオーナー自身の責任ですが、マンション全体の資産価値や他の居住者への影響も考慮する必要があります。

・水回り(キッチン、浴室、トイレ、洗面所): 排水溝の詰まりや水漏れがないか、定期的に(例:年に1~2回)セルフチェックしましょう。パッキンや水栓金具は10年前後で不具合が出やすくなります。
・給湯器・換気扇: 10年を超えると故障のリスクが高まります。異音や不具合を感じたら早めに専門業者に点検を依頼しましょう。
・エアコン: 定期的なフィルター清掃に加え、10年程度を目安に買い替えを検討しましょう。
・内装(壁紙、床): 汚れや傷みが目立ってきたら、10~15年程度で張り替えや補修を検討します。
・窓・サッシ: 開閉がスムーズか、隙間風がないかなどを確認し、必要であれば調整や部品交換(戸車など)を行います。

特に水漏れは階下への被害につながるため、早期発見・早期対応が重要です。

   

マンションのメンテナンスは山市成工にご相談ください

私たち山市成工は、山梨県甲府市を拠点に70年以上の歴史を持つ総合建設会社です。公共施設建築で培った確かな技術力と品質管理体制を活かし、マンションの大規模修繕工事やリフォーム工事においても豊富な実績がございます。

まずは当社の建築士が現地を訪問し、マンションの現状を詳細にチェック。どこにどのようなメンテナンスが必要か、専門的な視点から的確に診断いたします。マンションのメンテナンスや修繕に関するお悩み、ご相談は、ぜひ山市成工までお問い合わせください。

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