2025/07/16
建物の基礎や駐車場、身近な道の舗装など、様々な場所で利用されている「砕石舗装」。低コストで施工できる手軽さから人気の工法ですが、アスファルトやコンクリート舗装と比べてどのような特徴があるのでしょうか。
この記事では、砕石舗装の基本的な知識から、砂利との違い、具体的な用途、メリット、そして実際の工事の流れまでを網羅的に解説します。
砕石舗装とは?

砕石舗装とは、岩石を人工的に破砕して作った「砕石」を地面に敷き詰め、転圧機(ローラーなど)で固めて仕上げる舗装方法です。砕石は角が尖っているため、敷き詰めて圧力をかけるとお互いが噛み合い、固く締まった安定した地盤を形成します。この噛み合う力によって、地面の支持力を高め、ぬかるみを防ぎ、車両の通行や構造物の設置に耐えられる状態にするのが基本的な役割です。
「砕石」と「砂利」は別物
「砕石」と「砂利」は、見た目が似ているため同じものだと思われがちですが、成り立ちと性質が全く異なります。
砕石(さいせき)
山から切り出した大きな岩石を、クラッシャー(破砕機)で人工的に砕いて作られたものです。角が鋭く、ゴツゴツした形状が特徴です。この角がお互いに噛み合うため、締め固めると安定性が高く、道路の路盤材や建物の基礎など、強度が必要な場所で使われます。
砂利(じゃり)
川の上流から流れてくるうちに、自然の力で角が削れて丸くなった小石のことです。角が丸いため、砕石ほどは固く締まりません。そのため、高い強度が求められない場所での化粧(美観)目的や、防犯対策(歩くと音が鳴るため)などに主に使用されます。
地盤を安定させることが目的の「舗装」には、噛み合いが良く強度を出しやすい「砕石」が用いられます。
砕石はどんな時に使われる?4つの主な用途
砕石は、その特性から非常に幅広い用途で活躍しています。
建物の基礎工事(地盤の支持力を高める)
住宅やビルなどの建物を建てる際、基礎の下には砕石が敷き詰められます。これは「基礎砕石」や「地業」と呼ばれ、建物の重さを地盤全体に均等に分散させ、支持力を高める重要な役割を担っています。地盤を強固にすることで、建物の不同沈下などを防ぎ、長期間にわたって安全性を確保します。
駐車場の整備(低コストで車の重量に耐える)
砕石舗装は、個人宅の駐車場から事業用の広い駐車場まで、幅広く採用されています。最大の理由はコストの安さです。アスファルトやコンクリートに比べて材料費・工事費を大幅に抑えることができます。また、適切に転圧された砕石は、乗用車の重量に十分耐える強度を持ち、水はけが良いというメリットもあります。
アスファルト舗装の下地(路盤)として
アスファルト道路も、その下には砕石の層があります。アスファルト舗装は、表面のアスファルト層(表層・基層)とその下にある「路盤(ろばん)」で構成されています。この路盤に砕石が使われており、上からの交通荷重を分散させ、地盤に伝えるクッションのような役割を果たしています。頑丈な路盤がなければ、アスファルトはすぐにひび割れたり、わだちができたりしてしまいます。
雑草対策(防草シートとの併用が効果的)
空き地や庭の雑草対策としても、砕石舗装は有効です。砕石を敷くことで日光を遮り、雑草の生育を抑制します。ただし、砕石の隙間から雑草が生えてくることもあるため、より高い効果を求めるなら「防草シート」を下に敷いてから砕石を敷設するのが最も効果的です。これにより、草むしりの手間を大幅に削減できます。
砕石舗装のメリット

砕石舗装には、多くの優れたメリットがあります。
1.コストが安い
アスファルトやコンクリートに比べて、初期費用を最も安く抑えられます。
2.水はけが良い
砕石の隙間から雨水が地面に浸透していくため、水たまりができにくいです。透水性に優れている点は大きな利点です。
3.施工が早く手軽
工事期間が短く、固まるまでの養生期間も不要なため、施工後すぐに使用を開始できます。
4.防犯効果がある
上を歩くと「ジャリジャリ」と音が鳴るため、侵入者が嫌がり、防犯対策としても効果が期待できます。
砕石・アスファルト・コンクリート、どれを選ぶ?
コストと手軽さで選ぶなら「砕石舗装」
「とにかく初期費用を抑えたい」「将来的に用途が変わる可能性がある」「すぐに使い始めたい」といったニーズには砕石舗装が最適です。一時的な利用や、広い面積を低予算で整備したい場合に最も力を発揮します。
見た目と機能性のバランスなら「アスファルト舗装」
「駐車場として毎日快適に使いたい」「見た目をきれいにしたい」「ある程度の面積がある」という場合はアスファルト舗装がおすすめです。平坦で走りやすく、黒い見た目が引き締まった印象を与えます。商業施設や月極駐車場で最も一般的な舗装です。
耐久性と長期的な利用なら「コンクリート舗装」
「何十年も変える予定がない」「とにかく頑丈さを重視したい」「変形やへこみは絶対に避けたい」という方にはコンクリート舗装が向いています。施工費用は最も高くなりますが、耐久性は抜群で、油や熱にも強いのが特徴です。
砕石舗装の工事手順
砕石舗装は比較的シンプルな工法ですが、仕上がりの美しさと耐久性は、丁寧な施工手順にかかっています。ここでは基本的な工事の流れを3ステップでご紹介します。
ステップ1:整地・掘削(草むしり、不要な土の除去)
まず、舗装するエリアの雑草や木の根、大きな石などをきれいに取り除きます。その後、仕上がりの高さを計算し、重機(バックホーなど)を使って余分な土を掘削・除去(鋤取り)します。この最初の「整地」作業が、後の工程すべての基礎となります。
ステップ2:路盤の転圧(地固め)
土の地面が露出したら、転圧機(プレートコンパクターや振動ローラー)を使って地面をしっかりと締め固めます。この作業を「路盤の転圧」と呼びます。この地固めが不十分だと、後々、舗装が沈下したり、凹凸ができたりする原因になるため、非常に重要な工程です。
ステップ3:砕石の敷き均しと仕上げ転圧
地盤が固まったら、その上に砕石を投入します。重機やレーキ(手作業用のトンボ)を使って、設計通りの厚みになるように均一に敷き均します。最後に、再び転圧機をかけて砕石全体を締め固めます。この仕上げ転圧によって砕石同士がしっかりと噛み合い、安定した強固な砕石舗装が完成します。
工場の建設は山市成工にお任せください
山市成工は、1948年の創業から70年以上にわたって地域の発展に貢献してきた総合建設会社です。
企業の生産性の根幹をなす工場や倉庫の建設・改修において「短工期・低コスト・高パフォーマンス」を第一に掲げています。生産ラインの変更や機械の入れ替えに伴う建築・基礎工事はもちろん、屋根の雨漏り、外壁の老朽化、シャッターの不具合といった働く人の安全と作業効率に直結する細やかな修繕まで、幅広いご要望にも対応可能です。
私たちは、公共施設建設で培った高い施工技術と品質管理、そして数多くの実績を誇る耐震補強工事のノウハウを活かし、お客様の視点に立った最適な施工方法をご提案いたします 。大切な事業の拠点である工場の新築、改修、修繕、そして耐震化まで、ぜひ山市成工にご相談ください。